前回の『落書き』を描いて思い出した。
30代前半に毎晩のように自由が丘のBarに飲みにいっていた時期があるのだけど。
その頃、カウンターで飲みながらよくこうやってノートに落書きしてたな・・・と。
本当に毎晩のように飲みにいってたから、お店のバーテン君ともお友達だったし、飲んでたら大抵誰かしら常連さんもやってきて、結局はなんだかんだみんなで喋ったり、そのうち夜中になるとみんなで吹けないトランペットの練習してみたりワイワイと飲むことになるのだけど、たまにまだ常連の知り合いが一人も来てなくて、バーテン君も他のお客さんの対応で忙しかったりすると、超手持ち無沙汰になってしまって。
今のようにスマホのない時代だったので、暇つぶしがてら持っていたノートに描き始めたのが始まり。
落書きだからへたっぴでも構わないし、所詮酔っ払いだから、ちゃんとしたものを描く必要もなく、なんとなくただ思い浮かんだものを適当に描いていたのだけど、これが結構楽しかった。
私、もともと、絵に対しての苦手意識がすごく強くて、高校の時の選択授業で、申し込み人数が多すぎて抽選になってしまった音楽に外れ、仕方なく選択することになってしまった美術の授業では、私のデッサンを見た先生が『君はもともと美術を希望してなかっただろ。絵を見たらわかるんだよ』と言う始末。(まぁ、その通りだからさ、仕方ないんだけど)
だから、自分には『絵の才能がない』と思っていたし、絵を描ける人にものすごい憧れも持っていた。
すごいな・・・。って。
だけど、ある時、ちょっとしたきっかけで立て続けにいろんな美術展に行く機会があって。
その時に行ったゴッホと岡本太郎氏の美術展(なんでゴッホは呼び捨て?)で大きな衝撃を受けたのでした。
まずゴッホ展では、彼がとても憧れていたミレーの「種まく人」を模写した絵が飾られていて。
そこで解説に書いてあったのですが、ミレーがその絵の中に描いている『鳥』をゴッホは間違えて?『種』として描いているんです!(逆だったかも。記憶が曖昧)
それ見た時にね、なんだ!音楽小僧と一緒じゃん!!!って思ったんですね。
バンドとかをやられた経験がある方はご存知だと思うのですが、バンドとかをやり始めて、好きなバンドのコピーバンドとかってやる時、譜面を見たりすることってほとんどなく、大抵「耳コピ」といって、自分の演奏したい曲を必死で耳で聞いて、フレーズとかコードとかをコピーするんですよね。
で、頑張って耳だけでコピーするんだけど、やっぱり慣れてないうちは間違ってコピーしてたなんてことも結構あったりして。
なんだ、ゴッホも一緒なのか、と。
大好きなアーティストの作品を何回も何回も模写して、でも解釈が違ったりするところがあったりして。
そうやってだんだん『画家ゴッホ』になって行ったのか・・・。なんて思ったらめちゃくちゃ親近感が湧いてしまって。
そして次に行った岡本太郎展。
彼の展示を見ての一番の感想は
『子供!?!?!?』Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
もう、感性の自由さが純粋に子供。
なんの枠組みも囚われているものもなく、ただただ内側から生まれていたものがなんの制約も受けずにダイレクトに表へ出したらこうなったんだな。(と、私は感じた)
もう、そのエネルギーはただただ圧倒的。
彼の天才性は、その、『なんの制約も持たせない純粋性』なんだな、と。
ここまでの純粋性ってなかなか出せない。
いや、なかなか出せないなんてレベルじゃない。
同じような純粋性を出せるのは3歳児くらいだろうか???
4歳でももう難しいかもしれない。
いや、これはあくまでも私の個人的な感覚だけど。
この純粋性を保ったまま大人の能力がつくとこうやって天才になるのか・・・。と、ものすごい衝撃を受けたのでした。
単純な『好み』で言ったら、特に『好きな絵』とかではないので特にその後彼の作品をフォローすることはないのだけど。
とにかく圧倒的な衝撃を受けたことだけは確かです。
この二人の画家に出会ったことで、私の中に、「上手い下手とか正しい正しくないとか関係なく、ただ描きたいように描いていいんだな」という『許し』が生まれたんですね。
そしてそれは『描いてみたい!!!』という衝動になって、冒頭の、「Barでお酒飲みながら適当なノートに落書きを描く日々」が始まったのでした^^
んで、落書きだから、本当になんでもよくて。
相変わらず全然上手には書けないんだけど、「ただ描きたいと思ったら描いてみる」だけをやっていたら、すごい楽しくて。
ただ描いてみるだけだから、できた絵もいろんなことになってるんだけど。
なんの絵だかわからないようなのもたくさん(笑)
でもなんだかんだ忙しくなって、そのBarに遊びに行けることも少なくなって、そのうちそうやって落書きしていたこともすっかり忘れていたな〜。
↑
ってことをね、思い出したの。絵、描いてたら。
っていうだけなんだけど(笑)
あはは、相変わらず長いブログだ(笑)
みなさま、いつも読んでくれてありがとうございます^^