足りないものがくれた『才能』

前回のブログ(→こちら)にも書いたのだけど、私、もしも時間とお金が有り余っていて存分に好きなことをやっていていいって言われても、どうやら今と同じように歌もレッスンも両方やりたいみたいなんですよね。

 

 

でね、じゃあなんでそんなに私はレッスンが好きなのかなぁ〜って考えたんですよ。

 

私、本当にみんな一人一人の声と歌が宝物だと思っていて。

だからレッスンを受けた生徒さんがだんだんとその『自分の声・自分の歌』を取り戻していくのを見るのがたまらなく嬉しい。

 

 

 

私ね、もともとそんなに「ずば抜けて圧倒的な歌のうまさ」を持っていたわけではないので、今までの間に自分の声、歌に対してかなりの試行錯誤をして来ているんですよね。

 

「歌いたい」と思いながらも自信のなかった時代も長かったし、使える声域が狭くて歌えない歌がたくさんあったし、歌いたい歌が思うように歌えなくて悪戦苦闘したり、せっかく練習で上手く歌えていた歌が本番で緊張のあまり思うように歌えなくてどん底まで落ち込んだり。

 

だからこそ、本当にあーでもないこーでもないと散々研究して来ました。

もちろんレッスンにも通ったりもして、そのおかげでできるようになったこともたくさんあったけど、レッスンに通ってもできるようにならないこともたくさんあった。

例えば、『力を抜いて』って言われるんだけど、その力がどうやったら抜けるのかがわからない。

先生に聞いても『抜けばいいんだよ』しか言われない。

だから、とにかく自分でも研究しまくりました。そして歌に使えそうなコトならなんでも勉強しました。

呼吸や発声の仕組みはもちろん、発音の仕組みや体の仕組み、心の仕組み、脳の認知や指令の仕組みなどなど。

そしたら力が入ってしまうのには様々な原因が絡んでいることがわかった。

その原因を一つづつ丁寧に取り除けば確実に力が抜けることもわかった。

『力』に限らず、うまくいかないことには必ずと言っていいほど明らかな原因があるんですよね。

だからその原因を特定してそれが取り除ければいい。そしてその取り除き方にもコツがある。

 

私はそれをぜーんぶ自分で実験して来たんですね。

 

さらに同時に20年以上にわたって本当にたくさんの生徒さんと一緒にレッスンをさせて来てもらったおかげで、経験もたくさん積んでくることができました。

 

今、私がとてもとても幸せな気分で歌が歌えているのはそういう様々な過程を経て来た結果です。

20代の頃はこんなに幸せに歌えてなかったな。

 

 

でね、だからこそ確信してるんです。

みんな自分自身の声に、歌にちゃんと出会うことができるって。

そして本当の自分の歌を歌えた時は驚くほど幸せなんです。

 

そんな瞬間をみんなにも味わってもらいたい。

 

思うように歌えない時代があって、試行錯誤して来た私だからこそ伝えられることがあります。

これが、私の『才能』なんだと思う。

 

そう、まさに「足りないものがあったからこそ得ることができた『才能』」

 

人生っておもしろい^^

 

 

 

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