もうずいぶん前の事。
当時、私は31才。
ずっとやりたかった事に色々と新しくチャレンジを始めてみたものの、やっぱり子供の頃や十代の頃から始めている人には到底かなわない事も多く、「なんでもっと早く始めなかったんだろう…」「やっぱり始めたの遅すぎたよな…」なんてへこみ気味だったある日のこと。
たまたま乗っていたバスで、近くに座っていたおばあちゃまお二人の会話がふと、耳に入った。
「あら、○○さん、こんにちは!どちらにお出かけ?」
『今から水泳なのよ』
「あら、水泳やってらっしゃるの???」
『そうなのよ。70才から始めたから…。ああ、今年で水泳始めてちょうど10年だわ〜。』
この時点で相当びっくりした私。
え !?
70才から始めたの !? 『水泳』!? !? !?
しかも、もう10年ってことは… 今、80才 !? !? !?
驚いている私の耳にそのおばあちゃまの次の言葉が続けて入って来た。
『昨日ね、お誕生日だったの、私。80才の。
孫たちがお誕生日会開いてくれたのよ。
もう〜、何歳になってもお誕生日って本当に嬉しいわよね〜♪♪♪』
!
!!
!!!!!
えええーーーーーーーーーーーっっっっっっっっっ!!!!!
嬉しいの !? !? !?
お誕生日 !? !? !?
当時、色々な事を始めたものの、どうしても十代の頃のようには習得できない自分にいらだっていた私にとっては、年齢を重ねる事を実感せざるを得ない誕生日はむしろ来てほしくない、ちっとも嬉しくない日だったのに!!!
自分よりも倍以上、50年も長く生きているこのおばあちゃんはお誕生日が『嬉しい』なんて!!!
完敗。
完全に私の負け。
「もう年だから」とかそんな事全然思わずに、70才からでも新しい事にチャレンジできて、「毎年のお誕生日を『嬉しく』迎えられる人」だからこそ10年のキャリアを積む事が出来るのか。
このおばあちゃんよりも50才若くても、そんな私が「もう30才だし」とか「始めるのが遅かった」とか言ってあきらめてしまったら10年どころか5年のキャリアも積めないんだな…。
『毎年の誕生日を嬉しく迎えられる様な生き方をする。』
その日から私の人生のテーマが決まりました。
おかげでやりたい事に迷わず突き進めるようになりました。
いや、迷うか(笑)
迷いながらも前に進む勇気をもらった、というのが正解かな。
すごく大きな出会い。
あの日の出会いに感謝。